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事例紹介―学校法人明星学苑 明星中学校「担任持ち回りで学年通信を“デイリー”で発行!」

東京都府中市にある私立中学校、学校法人明星学苑明星中学校の第3学年では、平成18年度より、学年通信を“デイリー”で発行している。学校の多忙化が進む中、どうすれば効率的かつ魅力的な学年通信を作成することができるのだろうか。学年主任を務める中村公辰(まさとき)先生に、作成のポイントを語っていただいた。

実践事例インタビュー

学年通信を毎日発行することになった経緯についてお聞かせください。

学校法人明星学苑明星中学校学校法人明星学苑明星中学校

私が学年通信を毎日発行するようになったのは、今の学年(3学年)が最初の試みで、平成18年度当時の担任同士で相談し合って決めました。学級・学年通信について学内での取り決めはなく、私自身は、多い年度で2日に1度、少ない年度で1週間に1度のペースで学級通信を発行していました。しかし週に1回といっても年間を通じての作業ですから、やはりネタに困ることはありましたね。そこで、担任が持ち回りで“学年通信”を作成することで、個人の負担を減らし、なおかつ発行の頻度を上げる現在の体制を考えました。

学年通信を毎日出すことには、どのような意義があるとお考えでしょうか?

中学生になると自立心が芽生えてくるためか、学校での出来事を親に話したがらない傾向が出てきます。実際、「子どもが学校で何をしているのか、よくわからない」という保護者の方からの声もいくつか耳にしました。そこで学年通信を毎日発行し、少しでも学校の様子を把握していただくと同時に、その内容を起点に親子の会話が生まれればと考えました。漠然と「今日は何があったの?」と聞かれるより、子どもも話しやすいのではないでしょうか。学年通信が、親子のコミュニケーションを円滑にするツールになってくれればいいなと思いますね。

現在の運営体制をお聞かせください。

担任5人と副担任4人の計9人でローテーションを組んで作成しています。本校は週6日制のため、1人あたり3週間に2度担当が回ってくる計算です。今日(2月25日現在)で1年生から数えて593号目ですから、順調にいけば卒業するまでに600号を超える予定です。

学年通信には共通のコーナーなど設けているのでしょうか?

学年主任を務める中村公辰(まさとき)先生学年主任を務める中村公辰(まさとき)先生

学年全体にかかわる連絡事項は必ず載せるようにしていますが、それ以外は各自まったくの自由ですね。コーナーなどの“しばり”を設けると、例えば書こうと思っていたことが先に書かれてしまったり、教員間で打ち合わせの場をもつ必要性が生じてしまったりして、実質的な作業量は増加してしまいます。担当教員の責任と決定権だけは明確にしておき、内容についてはフレキシブルにしておくことが、毎日続けられるコツだと思います。

中村先生個人としては、どのようなことを書かれていますか?

私は国語を担当しているので、毎週行っている漢字テストの各クラスの平均点や満点だった生徒の名前を公表しています。漢字の得意な生徒はもちろんですが、漢字の苦手な生徒も学年通信によって触発されることで、モチベーションの向上につながってくれればうれしいですね。

長年作成していると、どうしてもネタに困るときも出てくると思います。

平成18年度・平成19年度の学年通信平成18年度・平成19年度の学年通信

私の場合、特に書く材料が見当たらないときは、気に入った詩や小話を載せるようにしています。また、テレビで観たドキュメンタリー番組に深く感銘を受けたので、それを紹介したりもしました。それから本校では、月に1回読書感想文の課題を設けているのですが、優秀な作品を裏面に掲載したこともあります。同じ作品でも自分と友人では感じ方が異なることと、その面白さを実感してもらいたいですね。

生徒たちの反応はいかがでしょうか?

開始から半年間が過ぎたころには、文責を記さずとも誰が書いたものなのか生徒もわかるようになりました。少なからず読んでくれているのだなという手応えを感じることができましたね。

最後に、他校の先生方へのアドバイスをお願いします。

大切なのは、必ず定期的に学校側から家庭に情報を開示してあげるということだと思います。本校では、生徒にかかわる事故や事件があった場合、それが些細なことでも必ず学年通信に掲載して迅速に保護者に伝えるようにしています。ネガティブな側面はできるだけ見せたくないというのは本音でしょうが、“隠さない”ことでむしろ保護者と良好な関係が築けるのではないでしょうか。

ありがとうございました。

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