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保護者をひきつける学級便り~“読まれるもの”をつくる!~小川 拓(埼玉県上尾市立平方北小学校教諭)/教育職人技伝道塾「ぷらすわん研修会」塾長

現在の保護者の年齢層を考えると、いわゆる“活字離れ”が進んだ世代にあたるのではないでしょうか。テレビがどこにでもある環境に育ち、時計がわりに朝の番組を視聴し、ほぼ1日中、音のある中で過ごす。そんな環境で育った親を“学級便り”という活字メディアに振り向かせるのは、至難の業です。加えて今の保護者は、必要なものを必要なときに取り出そうとする傾向もあります。

今時の保護者のニーズに合わせるならば、携帯メールで送った方が読まれるのかもしれません。しかし、紙で発行する“お手紙”には、“ぬくもり”や“風合い”があります。また、温かみのあるイラストの効果なども考えると、捨てられないものでしょう。

なぜ、学級便りをつくるのか?

「忙しくて学級便りをつくるヒマがない!」という先生方も、多いのではないでしょうか。教師本来の仕事から考えると、学級便りは必ず出さねばならないものではありません。連絡事項ならば行事予定表で済みますし、次の日の持ち物ならば連絡帳で事足ります。

そんな中、なぜ学級便りを出すのか――それは“信頼”を得るためです。

教師として学級を任され、子どもたちを預かり、指導していく中で、保護者の“信頼”が厚ければ厚いほど、学級経営はうまくいきます。仕事が忙しくて、学級便りを書くヒマがないという方は、次のように発想を転換してみてはいかがでしょうか。

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学級便りを書くことでヒマになる!?

学級便りを書くことでヒマになる!?

学級便りで大切なのは、自分の考え方や思いを述べていくことです。子育ての悩み相談やワンポイントアドバイスでもよいでしょう。「親も教師も共に教育者・協力者である」という視点を全面に掲げ、進めていきます。

こうして毎回毎回、自分の思いを伝えていくことで、「この先生、しっかりしているな」「こういう考えで宿題が出ているのか」などと思ってもらえれば、教師と保護者の共通認識も深まります。すると苦情や質問の類など、教師として一番嫌な仕事が減ります。

私の場合、学級便りは20分位で仕上げます。一方で、保護者から3件のクレームや質問が来たとしましょう。連絡帳に弁明を書いたり、電話で応対したり、校長に報告したりすれば、優に20分は要するに違いありません。

学級便りを書くことで、保護者からの信頼を得られ、自分の時間も生まれます。そう考えると、「ヒマになるために学級便りを出す」という視点も、一考の余地があるかもしれません。学級便りが保護者の“担任自慢”になることもあるほどですから。

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学級便りが「作文通信」

せっかく書くのですから、“お知らせ”“諸連絡”だけにするのは「もったいない!」と私は思います。そこでまず、子どもの作品を載せてあげましょう。私のクラスの場合、子どもたちが毎週書いている作文を載せています。自分の作品が載ると、児童は本当に喜びます。

また、配布した後には、読んで聞かせるようにしています。そして、その後クラスで“良かった探し”をします。作文指導にもなりますし、一番うれしいのはクラスの雰囲気が良くなることです。

学級便りに子どもの作文を取り入れることには、5つのメリットがあります。

  1. 書く内容に困らない。
  2. 子どもも親も喜ぶ。
  3. 親が必ず読む。
  4. 作文が上手になる。
  5. クラスの雰囲気が良くなる。

また、子どもたちの様子や、できるようになったことも全体として取り上げてあげるとよいでしょう。

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何を載せたらいいの?

担任の思いを伝える場合、書く内容は1号1つに絞った方がよいでしょう。あまり盛りだくさんにしても、保護者が読んでくれなければ意味がありません。担任の思い・考え、行事への呼びかけ、連絡事項、子どもの作文や俳句など、バランスよく紙面に配置することで、全面を読んでもらえるのではないでしょうか。

担任の思いとして、私が最近書いた項目をいくつか紹介します。

  • 宿題はなぜあるのか
  • ノートをきれいに書く理由
  • インフルエンザにかからない方法
  • 8時半に寝させるには意味がある

具体例: ノートをきれいに書く理由

ノートを見ると、その子が将来、勉強ができるようになるかが分かります。子どもたちは、授業を受けると学んだ内容が頭に入ってきます。その後、習得した内容をノートにとることで、頭に刻み込まれます。丁寧に分かりやすく書けば書くほど、脳裏にしみつくというわけです。子どもの中には、教師の言葉をメモする子もいます。後で見ると、自分だけの参考書ができ上がるのです。本当に力のある子は、ノートを見れば分かります。

信頼を得るための方法はさまざまですが、その一つに“学級便り”があるのではないでしょうか。しかし、学級便りだけで、保護者の信頼を得られるわけではありません。教科指導・生活指導と、さまざまなところに信頼を得る“種”をまいておかなければならないのだと思います。

略歴

小川 拓(おがわ ひろし)

小川 拓(おがわ ひろし)

埼玉県上尾市立平方北小学校教諭。平成5年度に私立明星小学校(東京都)の教員となり、各教科主任、学年主任等を務める。平成16年度より私立神村学園初等部(鹿児島県)の教務主任となる。携帯電話とインターネットを活用した授業形態がテレビに取り上げられ話題となる。その後、平成18年度から埼玉県の公立学校教員。平成19年度には埼玉県内の若手教職員を集めた教育職人技伝道塾「ぷらすわん研修会」を発足させ、自ら塾長を務める。

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